公正証書遺言は身体障害者が作るのが難しい時代がありました。これは、公正証書遺言の際に、口頭での確認と読み聞かせが必要なためであり、聴覚障害者や言語障害者が法律の規定を満たす事が難しかったためです。
しかし、公正証書遺言の作成も国民に与えられた平等な権利の一つであることから、平成11年に民法改正が行われました。筆記や手話で代用も可能であり、意思の疎通が十分にできる事が確認できれば公正証書遺言の作成が可能になったのです。
また、目が見えない場合であっても、公正証書遺言の場合は公証人が公正証書を作成するため、意志の確認が出来れば問題ないようになりました。ただ、公正証書以外の場合は自筆での遺言を書かなければ認められないケースがあります。
視覚障害者である場合は公正証書遺言で残さなければトラブルになってしまうことも考えられます。
現在の公正証書遺言という制度は、身体障害者でも平等に遺言を残す事ができる合理的な仕組みになっているのです。
相続が問題化する前に、前もって意思を確認をすることや、公正証書遺言を作成しておくことは非常に重要な事ですね。
また、公正証書遺言の作成には、公証人以外にも立会人と多くの必要書類があるため、必ず確認しておくようにしましょう。