
土地の評価で気を付けたい5つのチェックポイント
相続税の計算のために土地の評価をする際、気を付けて欲しいチェックポイントをまとめてみました!
土地の評価方法は複雑
相続税とは「亡くなった方が生きていた時に所有していた財産の全てに対して課税される税金」のことです。
相続税の計算をするには、その財産の総額を求めなければなりません。ですから、一つ一つの財産について相続税上の評価をしていくことになります。
財産の種類によって評価方法は色々と定められているのですが、その中でも「土地」の評価方法は非常に複雑になっています。
例えば、現金や普通預金であればその金額がそのまま相続税の評価額となりますが、土地については
評価方法に下記のような分類に基づいて違いがあります。
- 土地の所在地により、路線価方式と倍率方式がある。
- 土地の利用方法により自用地、貸宅地、貸家建付地の区分がある。
- 土地の相続人により減額の特例が適用される場合がある。
- 土地の形状等により補正がある。
- 土地の地目により近隣宅地に準じた評価方式になる場合がある。
土地評価の基本的な考え方
この中で土地評価の基本となる 1及び 2について、簡単に説明をしていきましょう。
路線価方式か倍率方式か
路線価なのか倍率なのか・・・まずこの二つのどちらかに区分することが、相続税評価額を計算するうえでの一番のポイントです。まずはこの部分が分かっていなければ、所有している土地の相続税評価額を考えたり、今後の相続対策を検討することはできません。
土地については、その評価額が大きな金額になることが多いため、この部分はしっかりと押さえておきたいところです。
まずは上述の ((路線価方式と倍率方式)についてです。
日本圏内に所在する土地については、その土地の場所に応じ、それぞれ路線価方式で相続税評価を行うか、倍率方式で相続税評価を行うかが決められています。これは、国税庁のホームページで確認をすることが可能です。
路線価方式の地域については、各路線(=道路)にその路線に面する土地 1rriあたりの金額が設定されており、これを路線価と言います。
例えば、路線価 200(単位は千円)と書かれていた場合には、この路線に面する土地は 1㎡あたり 200千円(= 20万円)となります。路線価 200に面する土地 100㎡を所有していた場合、その土地の評価額は、 20万円 × 100㎡= 2,000万円となります。これが路線価方式による評価をする場合のベースとなります。
一方、倍率方式での評価方法については、路線価方式よりも単純です。
固定資産税評価額に国税庁が定めた倍率を乗じることにより計算します。倍率も路線価と同様、国税庁で確認できるのですが、地域ごと、地目ごとに倍率が設定されています。
例えば、固定資産税評価額が 1,000万円の土地で、倍率 1.1倍の地域に所在している場合には、 1,000万円 × 1.1=1,100万円となり、これが倍率方式による評価をする場合のベースとなります。
利用方法により評価が異なる
2(利用方法による区分)についてですが、利用方法により、 1で算出したペースの金額に補正を加えることになります。まず、1で算出したペースの金額は、その土地を自分で利用している場合(これを自用地と言います)の評価額となります。そのため、自分で利用している場合には、補正はありません。
自用地以外として利用している場合、すなわち土地を人に賃借している場合や建物を人に賃借している場合(賃貸マンション)などの場合には、一定の補正(減額)を行います。補正の場合に使用するのが、借地権割合や借家権割合という割合です。
貸宅地(人に賃借している土地)の相続税評価額は、自用地評価額 X(1-借地権割合)の算式で計算します。自用地評価額が2,000万円、借地権割合40犯の土地の評価額は 2,000万円x(1-40%)= 1,200万円となり、その相続税評価額は自用地の場合に比べて大きく減額されることになります。
賃貸アパートやマンションなどの敷地(これを貸家建付地といいます)の相続税評価額は、自用地評価額×(ト借地権 割合×借家権割合)の算式で計算します。
自用地評価額が 2,000万円、借地権割合 40%、借家権割合 30%の土地の評価額は、 2,000万円×(1-40%×30%)=1,760万円となります。
こちらの場合も、貸宅地ほどではありませんが、自用地評価額と比べて相続税評価額が減少することとなります。遊休地を抱えておられる方は、土地の利用区分を見直し、活用することにより、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
土地の評価は専門家へ相談を・・
このように土地というモノは同じものが全くありません。それぞれの置かれている状況によって適切な評価をしなければ、必要以上に高い評価額で申告を行わなければならない可能性があります。
そうならないためにも、土地の評価については専門家である税理士にご相談ください!