
以前の相続分割が終わっていなかった相続のご相談
お客様の相続手続きを進めていくと、前回の相続手続が終わっていないケースがあります。
「ずっと前に亡くなった祖父名義の土地の名義変更をしていなかった」
「共有だった通路部分の相続登記が漏れていた」
そのうち手続きすればいいだろうと思っていると、そのうちに手続きをしなければならないことを忘れてしまうのです。
特に不動産の登記については、売買や相続などが起こらなければ日常生活で困ることはありませんので忘れてしまいがちです。
ただ、相続手続きを放置してしまったため、大きなトラブルとなった事例がありました。
自宅の売却をしたいという相談があったのですが、その手続きをしていく中で大きな問題が発覚しました。
道路から自宅につながる通路の部分が何名かの共有になっていたのですが、その共有部分の名義が30年以上前に亡くなった祖父のものだったのです。
祖父の子供(相談された方のお父様やそのご兄弟)の中には既に亡くなっていた方もおり、中には外国に移住された方もいらっしゃいました。
自宅を売却するためには通路部分の名義変更も行わなければなりません。
その名義変更をするためには何十年も前に亡くなった祖父名義の土地についての相続手続きをする必要があるのです。
亡くなった祖父の戸籍などから相続人を調査して、さらにその相続人が無くなっていた場合にはその相続人を調査して・・・
というようにとても大変な作業が必要になるのです。
また、それらの相続人が分かったとしても、その方たちからの印鑑をもらう必要があります。
みなさん協力して押してくれれば良いのですが、なかには「印鑑を押すからハンコ代をくれ」というような要求をしてくる方もいました。
それでも何とか話がまとまって通路部分の相続手続きをすることができたのですが、内容によっては裁判所の手続きが必要になったりするケースもあるので、時間もお金もかかってしまいます。
「相続するものなんてほとんど無いから、手続なんて特に必要ない」と思われている方もいるかもしれませんが、後々のトラブルを未然に防ぐためにも手続きはしっかり行っておくようにしましょう。